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初恋・地獄篇のRIOのレビュー・感想・評価

初恋・地獄篇(1968年製作の映画)
3.7
アヴァンギャルドに尽きる
圧迫された興奮が鬱屈された本能を
克己の言葉が追い立てまた支えている

幼い頃の虐待が歪んだ表情に現れる
濃い靄をかけ葬り去りたい映像をゾクゾクする身震いする程の経験が彼を引き裂く
金髪と白ハチマキ 日本の結髪に網タイツの女達が鞭で打ち合い首を絞めて勝負をつける
格子から顔を出して檻の中で見ている光景はシュンが経験した変態性を大きく上回り驚愕の介抱する癒し力となった

ナナミとの出逢いが光を別へと曲げ
大海に飛び込んで恐ろしい思いをしながらやっと岸に辿りついた
彼を待っていた未来が映し出されるラストだけど彼の人生は悲劇だったんじゃない
彼を悩ました問題は自身の中にあって誰かが直せることでもない

玉葱の皮を剥けば涙が出る
分からなかった謎なぞが漸く解けた

裸の子供に天狗のお面は寺山修司のエッセンスが脚本に入ってる雰囲気
暗い場所で黙ってジリジリしてる「金閣寺」の溝口にとても描き方が似通っていたのと文学的な作品であった

「大地のうた」「太陽は光り輝く」のポスターが学園祭の学校の黒板に貼られていた こういうのを見つけるのは楽しい
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