まめだいふく

パラダイスのまめだいふくのレビュー・感想・評価

パラダイス(1982年製作の映画)
3.0
 時は19世紀末。バグダッドからイギリスへ向かうキャラバンがジャッカルという男率いる蛮族に襲撃される。ジャッカルの目的はイギリス人少女のサラ。サラは従者のジョフリーと、途中でキャラバンに加わったアメリカ人少年のデヴィットと共に井戸に隠れて難を逃れたが、他のキャラバンメンバーは皆殺しにされてしまう。
 三人は再び蛮族に見つからないことを祈りながら、ひたすら砂漠を横断するが、やがてジョフリーも蛮族の手に落ちてしまい、サラとデヴィッドは二人きりになってしまう。
 あてもなく砂漠をさまよっていると、幸運にも二人は海沿いの緑生い茂る場所へとたどり着く。そこに家を建てて二人で暮らすことにした二人。しかしそんな二人のパラダイスに、しつこいジャッカルがまたしても姿を現すのだった。

 日本のビールか何かのCMにも出演したことのあるモデル出身のフィービー・ケイツの映画デビュー作。主題歌も歌ってます。現在はケヴィン・クラインの奥さんですね。
 で、彼女がなんとまあ惜しげもなくヌードを披露。前半のキャラバン惨殺シーンの残酷さから一転、後半は彼女のPVというかAVというか……とにかく「映画変わった?」と感じるくらい空気が一変。なんだかジャンルがよくわかりません。
 個人的に面白かったのは、ドクとイヴという名のチンパンジーのカップル。人間の真似をしたがる愉快な二匹で、とても芸達者。本当に笑えます。彼らのような本物を使って『猿の惑星』撮ってほしいな。リアルCGのサルじゃなく。まあ、コメディになりそうだけど。

 因みに、本作はイスラエルでロケをしたそうで、現地のベドウィン族という砂漠の民の協力のもとに撮影されたそうな。
 で、そのベドウィン族の中のとある一族の族長がフィービー・ケイツをいたく気に入り、4人の妻がいる身でありながら、フィービーを引き取りたいのでラクダ25頭とヒツジ10頭で交換したいと本気で申し出たらしい。もちろん、その申し出は断られているが、その族長が劇中のジャッカルみたいな人物じゃなくて本当に良かったなあ。
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