ゆったりした曲が多いのに飽きないし耳に残る、観ていて楽しかった!
スタンリー・ドーネンだ!と思って「雨に唄えば」や「パリの恋人」にあるソロあるいはペアの超絶技巧ダンスを期待していたら、ウエスト・サイド物語のような複数で魅せるナンバーが多くて若干拍子抜け。スター・システム後の作品の先駆けという感じがした。
とはいえワイドスクリーンのシネマスコープ作品としての制作が念頭にあった映画だと考えると、人を多く出演させることに利点が多いのも納得できる。実際、6人の兄弟役はほとんどがダンサーを起用している分、ハワード・キールとジェーン・パウエルの「歌って踊れる」強みは充分に引き出されていたように思う。
ただ、私は1940〜50年代のスター・システムから生まれたミュージカル映画万歳!と思っているので、特にダンス面で絶対的な主役が出てこないミュージカル作品は「面白いけどなんか違う」と思いながら観てしまう、いやハワード・キールの歌唱力はすごいし作品の完成度は高いし言わずもがな面白いんだけどさ!!!!