shibamike

白昼の女狩りのshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

白昼の女狩り(1984年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

柴三毛「結局何だったんだ?」

とスクリーンの「終」の字を見つめながら、ぽかんとしてしまった。
意味はわからないけれど、(少し)引き込まれた。

エロ写真撮影を軽いノリで許してしまったヒロインのJD(加来見由佳)が、エロカメラマンに弱みを握られ無垢な身体を好き勝手される。
その裏では迷彩服のセットアップを着用してライフル銃や機関銃で武装した謎の男3人組が、不倫カップルや仲良しの父娘を強姦アンド射殺するというエキセントリックな凶行を繰り広げていた!

ヒロインのJDとエロカメラマンは終盤に、人里離れたどっかの別荘みたいな所にて2人っきりでエロ写真撮影をするのだが、この人里離れた別荘に例の狂った男3人組がやってくる。男達はエロカメラマンを早々に射殺し、ヒロインのJDに乱暴狼藉を働く。
がしかし!最後の最後でヒロインのJDが覚醒し、ナイフで男1人を刺殺!続けて機関銃をかっぱらい残りの男も射殺する(しかも全裸で!)!
これで「…カ・イ・カ・ン!」と言っていたら、薬師丸ひろ子が怒っていたと思う。すっぽんぽんと機関銃。

この映画、狂った男3人組が特に意味不明だった。ネットでレビューとか見てみると、「ゲーム感覚で男女に殺人や暴行を働く悪の存在」とか「彼らの目的はあくまでも女性の身体(タイトル的にそらそうか)」みたいなことが書いてあり、やっぱり意味わかんない。
凶行の動機不在とか第三者から見て不可解というのは、こないだ見たファスビンダー監督の「第三世代」っぽい気がした。

男3人組のリーダー格が「アヌビス(エジプト神話の死神)」と自らを名乗り、このリーダー格はどうもヒロインのJDに惚れていたらしく、ヒロインに射殺される直前にも「わたし達の愛は終わったということですね…」と我々観客全員に「え?そもそも始まってた?」という疑問を浮かばせてから、射殺される。狂っているけど、ちょっとイカす。

男どもの死体と血塗れの部屋ですっぽんぽんのヒロインJDは機関銃を握りしめ、スクリーンドアップで涙を流す。「何でこんな映画出ちゃったんだろ…」の涙だったら、こっちまで泣ける。

しかし!ラストのラストでビックリ!新宿かどっかの都心にて車が猛スピードで走ってきて、車から出てきたのは何と!迷彩服のセットアップを着こんだヒロインJD!そのまま白昼の都内にて機関銃を「ズダダダダダ!!」とぶっぱなして映画は終わる。
「エロ男達滅べ!」というヒロインの怒りだったのなら、自分は反省します。

この映画で大活躍する狂った男3人組のリーダー格アヌビスを"なぎら健壱"が演じている。
フォークシンガーつってもいろいろ派閥やらあるのだらうけど、普段は武田鉄矢びいきの自分であるが(歌というかもっぱらラジオ)、「幸福の黄色いハンカチ(1977)」という大メジャーにて俳優デビューした鉄矢よりも、ロマンポルノの本作(1984)にて堂々と存在感を示したなぎら健壱の清々しさに股間がちょっと濡れた。

ネットで色んな人が書いた本作のレビューちょこちょこっと読んでみたけど、みんな詳しすぎ!


天空の城ラピュタ阿佐ヶ谷、曽根中生監督特集終わり。ありがとう曽根監督!また会う日まで!

柴三毛 心の一句
「曽根中の 特集終わる 今週で」
(季語:曽根中→エロ→ピンク→桜→春)
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