一

波の一のレビュー・感想・評価

(1952年製作の映画)
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佐分利信をとりまく桂木洋子・津島恵子・淡島千景3人の女たち。それぞれに突然に現れ、突然に結ばれ、突然に去っていく。イカダで川を流されたときから、いろんなものに流され、その度に負の感情に悩乱しながらそれを引き受け続ける“子負虫”・佐分利信のやるせない名演。抱えた一人息子は実の子かどうか疑わしい。それでもゴム管を口でくわえて我が子の宿便を吸出しまでする。幼き設楽幸嗣君演じる小さい息子も大きくなって、近所の年増女性に可愛がられる甘い顔した石浜朗に。この先が心配です。他人のことだと思って、ことあるごとに佐分利へ無責任な説教&アドバイスを贈る笠智衆がとても◎。
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