らんらん

波のらんらんのレビュー・感想・評価

(1952年製作の映画)
3.5
モノクロ映画、回想もの
出演者、佐分利信、淡島千景、津島恵子、桂木洋子
笠智衆
他、坂本武、北龍二、岩井半四郎、十朱久雄、石浜朗など

【内容】
波打ち際で並んで座っている佐分利信と淡島千景
佐分利信は18歳になった息子ススム(石濱朗)の将来の不安を口にする

思えば18年前、、、(回想へ)
深川で子供たちの教師をしていた佐分利信は教え子の桂木洋子(17歳)となりゆきで結婚
だが程なくして妻は夫を裏切り若い男(岩井半四郎)と逃げてしまう
なんとか妻を連れ帰るも、妻は一人息子ススムを産んですぐ死んでしまう

それから4年
男やもめでは育児が出来ないので佐分利信は息子を船橋の里親に預けていた
里親の淡島千景とはお互い過去にキズのある者同士いい雰囲気になっていたのだが
その妹津島恵子と佐分利信がデキてしまったのが元で気まずい感じになってしまう
2人はすぐに別れることになるのだが、佐分利信は淡島千景から離れるためススムを引き取って一緒に暮らすことにする

それから6年
三鷹で暮らす佐分利信父子
相変わらず佐分利信はふとしたことで息子とは血が繋がってないかも?と思わずにいられない
だが親友笠智衆の励ましや、疎開のため再会した淡島千景の言葉で気持ちが晴れていく

それから8年(1951年)
小田原で暮らす佐分利信父子
佐分利信は18になった息子の異性問題に頭を悩ます
そんな時再び淡島千景登場で冒頭の場面へ

スウェーデンに旅立つ予定の淡島千景は佐分利信父子を励まし去っていくのであった、、、

【感想】
うーん、いいお話なんだろうけど色々と思うことの多い内容だった

まず思うのが主人公の佐分利信自体に結構問題があるように見える
教え子でまだ十代の桂木洋子に手を出して結婚って展開からしてヤバいし、さらにはヒロインの妹とデキちゃうって、、、いつも難しい顔して理論ぶっていながら本性はしょうもない男

ストーリーのほとんどが
血の繋がった息子なのか、そうではないのか問題ってのも辛気臭いなーって思う
それも18年続いてるから口では関係ないとか言っても、これからも繰り返すんだろうね

「誰の子であるかは神様しかわからない」なんて言葉もあったけど、それはこの場合良かったのかなぁ?とかも考えちゃった
わからないものはしょうがないで流せるパターンと、わからないのがずっと引っかかっちゃうパターンとあるからね
もし生まれてすぐ他人の子なのわかった場合、この主人公なら育てないだろうなーとかも思った

佐分利信と淡島千景の関係ももどかしかったなー
最初は淡島千景がフって、次は佐分利信がフって、その後はずっと会ってない状況で「待ってます」かー、ほんと今更だなーって
その後は、そういう気持ちは持ったままでそのままって感じになるんじゃないかなぁ
まあそもそも帰って来るのかもわからないだけどね、いきなりスウェーデンってどんな状況よ?

出演者メモ
・淡島千景
麗しいという言葉がピッタリ、全てが上品で美しかった
・桂木洋子
可憐な容姿をしたいながら生々しい設定だった
・津島恵子
おでんばで元気のいい妹キャラ
「あたし行くと決めたらどこまでも行くわ」「結婚なんて終身懲役よ」
・笠智衆
珍しく老け役じゃない、佐分利信の先輩教師で親友
・石浜朗
いい子すぎる、18歳でこれ?親がこんなだからこうなったの?って考えるとなんか悲しくもある
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