方眼

弾丸を噛めの方眼のレビュー・感想・評価

弾丸を噛め(1975年製作の映画)
4.1
1975年”Bite the bullet”。タイトルがしびれるほどカッコいい、大陸横断馬レースを舞台にした西部劇。1900年代初頭で主人公クレイトンと相棒マシューズはスペイン戦争での戦友。マシューズ役コバーンの次元大介感がハンパなく、吹き替えでは小林清志。こういう複数の背景を持ったキャラが集結するレースもの、コンゲームの要素もあり、ロジックを重視して描くのが一般的で岡本喜八作品もそう。なのに本作はどこからどこへ行くレースなのか、なんで毎晩汽車に集まるのか、メキシコ人の歯痛の理由は、マシューズが道を間違った経緯は、筏下りと名無しのミスターの行動は、道中の誰がどういう順序なのか、誰がトップで追いつけそうでハラハラするのか、など展開の描写があっさり切りすぎなのか説明不足なのか。汽車のオーナーが壁に順序表など貼って、そこで名札を入れ替えるなどあってもいいのに。挙句の果てに最後の急展開、おいしいとこなのに何の伏線もないし、回収とその後の展開もうまいとは言えない。監督はそういう説明をしたいわけでは無く、力点はクレイトンのキャラ(動物にやさしい、微妙な女好き、酒は飲む、イキる若者に容赦ない、妻の思い出)や、マシューズとの友情。サイドカーがカーブでコケるのは多分アクシデント、それ面白くて採用し、ひもで引っ張るあとのショットを撮りたしてるっぽい。弾丸を噛めるようにするダンドリは丁寧に描いていて、70年代映画ってこういうとこが良い。馬の汗には界面活性剤成分が含まれていて、こすれると白くなる。
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