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ミストのcamusonのレビュー・感想・評価

ミスト(2007年製作の映画)
3.2
ホラー映画なわけですが、霧という静的な題材であっても、
恐怖を動的に表現せずにはいられない人たちなんだなあってつくづく感じましたね。
びっくりするシーンはあっても怖いと思うシーンがないのですよね。
CGにも萎えぎみ。結局、最近のありがちなハリウッド映画になってしまっていて残念です。

あと、人が極限の恐怖下で宗教に逃げ込み狂信暴徒化するなんてのが、
ベタベタに描写されるのですが、ハリウッドでは新鮮なネタなのでしょうか?
キリスト教信仰者の多い国の大衆向け作品として、
この手のテーマは、啓蒙的・教訓的意味があるのかも知れませんが、
信仰の外側にいる者からすると、何をいまさら感が強いです。

終わり方は、ハリウッド映画らしくなく、ちょっと頑張ったかも知れません。
意図はすごくわかる気がしますが、
今まで、ちょっとうるさいくらいにベタな演出をしておきながら、
最後に至る主人公の心理変化の描写をすっ飛ばして、
辻褄あわせを受け手に投げてしまうというのは、
映画のバランスとしてどうなのかなと思いました。

深くて静かな霧の恐怖を体感したいなら、KONAMIの「サイレントヒル」シリーズを
プレイするのが良さそうです。
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