CANACO

ミストのCANACOのネタバレレビュー・内容・結末

ミスト(2007年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

どんでん返しがあると何かで読んだのと、怪物よりも人間が怖いというレビューを読んだためチャレンジ。ホラー耐性が低いので『ミッドサマー』のときと同じく、ネタバレをしっかり読んでから挑んだものの、ここまで虫が出てくるとは把握していなかったため撃沈。自分の場合、触手より人より虫が怖かった(笑)。

監督・脚本はフランク・ダラボン。スティーブン・キングが絶賛したというラストは原作にはないもの。同氏は本作の前にキング原作の『ショーシャンクの空に』(1994)、『グリーンマイル』(1999)の監督・脚本を担当。その前には『ザ・フライ』(1988)や『ブロブ 宇宙からの不明物体』(1988)、『エルム街の悪夢3』(1987)の脚本に関わっている。

善良な父・デヴィッドと幼い息子・ビリー、隣人の3人がスーパーで買い物していると、男が飛び込んできて、「霧の中に何かにいる」と叫ぶ。外は一面、白い霧に覆われてしまう。隔離されたスーパーの客たちは、早々にスーパーを出ようとする者、「ハルマゲドンだ」と言い出す者、混乱している者とバラバラの行動をとる。そんな中、倉庫を調べていたとき、シャッターを開けると、おぞましいタコのような触手に仲間が絡め取られ……、そこから始まる怪物と人間同士の戦いの物語。

スーパーという何日でも生きていけそうな空間なのに、見たこともない怪物を前にして全員がパニックになってしまう。宗教でも信念でも何でも、意志と言葉が強い人が極限状態で勝つのは仕方ないだろうなと思う。それぐらい人間が弱いことはわかる。

ネタバレを読むまでは『CUBE』の大人数版のような展開になると思っていたけど、それは違った。頑張って見たが、怪物(というか自分の場合は虫)が気持ち悪すぎて、深くは頭に入ってこなかった。口が立つ狂信者ミセス・カーモディは本当に憎たらしい。

あきらめないことの大切さを、あまりにも皮肉なラストで際立たせた作品。結局誰も殺せず葛藤し続けていたら戦車がきた、というラストでもメッセージは伝わっんじゃないかなと思う。

町山智浩さんの2012年1月9日のツイートを引用すると、
>「ザ・ミスト」のエンディングについて勘違いしてる人がいるのでダラボン監督から直接聞いたことを書きます。「ラストショットは人類が怪物たちに勝ちつつある状況を見せている。だから諦めずに頑張るべきだった」以上です。

ということらしい。
CANACO

CANACO