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ミストのnodoubtのレビュー・感想・評価

ミスト(2007年製作の映画)
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※記録用です。

前日、激しい嵐が襲った小さな田舎町を不気味な霧が包み込む…。

一人息子のビリーとスーパーマーケットへ買い出しに来ていたデヴィッド(トーマス・ジェーン)。
賑やかだった店内は、鼻血を流しながら店に駆け込んできた一人の男性の一言により一変する。

「霧の中に何かがいる!」

マーケットの外は深い霧のため視界がきかず、人々は不安におののき始める。
やがて霧の中から伸びた触手が人々を襲い、さらには巨大昆虫や鳥の化け物までが現れ、次々と人が死んでいく。
人々は精神的に追いつめられていき、やがて一人の狂信的な女性カーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)の扇動により仲間割れを始める。
そんな中、最愛の息子を守るためデヴィッドがとった行動と最後の決断とは…。

スティーブン・キング&フランク・ダラボン久々のタッグ。
「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」のような作品を期待して観ると度肝を抜かれます。

得体の知れない怪物やかなりグロい昆虫の群れに襲われる恐怖なんてほんの序章、真の恐怖は極限までイッてしまった人間の弱さと残酷な本質。
そしてそのスイッチを入れてしまった狂信女マーシャ・ゲイ・ハーデンの怖いこと怖いこと。

恐怖と絶望感、衝撃とあまりに救いのないラスト。
僕も含め映画館へ来ていた観客は、ほとんどがなかなか立ち上がれませんでした。
決して薦めることのできない傑作です。


おまけ。
ミスト(B/Wバージョン)

ダラボンがこだわった、DVD特典として収録されているモノクロバージョン「ミスト」。
本人いわく“60年代風ホラー”だそうで、こちらはこちらで雰囲気ある作品に仕上がっています。
嵐→霧→地震→飛び交う憶測→得体の知れない触手&化け物の出現→徐々に増える犠牲者→人々の不安や恐怖心を煽り勢力を拡大していく狂信女。
そして、あまりにやりきれない衝撃のラスト…(まあそれがなくても十分衝撃的な内容なんですが)。

改めて観て感じたのが役者陣の名演で、主演のトーマス・ジェーンや鬼気迫る演技で狂信女を演じたマーシャ・ゲイ・ハーデンはもちろん、気の強そうな女教師(この人「サイレントヒル」で女警官だった人ですよね?)や、さえないスーパー店員実は射撃の名手だったずんぐりむっくりオジサンに、口ばっかりでビビりな雑用係のオッサン、ちょっとした脇役の人たちもかなり頑張っています。
それとトーマス・ジェーンの息子役の男の子(「バベル」でブラピの息子役だった子らしいです)も良かった。

「ショーシャンク」「グリーンマイル」を超えた(毛色は全く違いますが)監督フランク・ダラボンの最高傑作だと思ってます。

それにしてもメイキング映像でのダラボン、本当に楽しそうだ。笑
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