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ミストのmidoredのレビュー・感想・評価

ミスト(2007年製作の映画)
3.7
嵐の翌日、山の向こうから妙な霧が出た。なんだか分からないが、とりあえずホームセンターへ買い出しに行った親子が見たものとは。

確かに嫌な話ですし、視覚的に気持ち悪いシーンも多いのに、不思議と遊園地のアトラクションに乗っているような感覚で楽しめました。テーマは人間の恐怖心と愚かさ。畳みかけるような愚行の列挙はほとんどシリアスギャグのよう。

開けたらいけない所は開けるし、火をつければすっ転ぶ。全編「いるよなこういう人」「ほれみたことか」の連続で、観客の期待を裏切らず、どんどんテンションが上がって行きます。

個人的に、ルサンチマンの塊みたいなカルトおばさんが最強でした。牛乳をラッパ飲みしながらそっくりかえる憎々しさたるや。あさま山荘事件もこんな感じだったんだろうなと。あと、虫が床にドバーッのところは気持ち悪すぎて爆笑しました。

ラストはショートショートによくある綺麗なオチで、隣人との伏線もしっかり回収されます。後味が最悪との評判で長年保留していたのが愚かだったと思うようなエンタメ作品でした。

『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』のような作品こそ本物の胸糞映画だと思います。
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