吉良吉影

ミストの吉良吉影のネタバレレビュー・内容・結末

ミスト(2007年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』を残した原作キング×監督ダラボンが贈るSf系スリラー!、、、。

過去2作品からの落差が凄い。まず直前に本作でもネタにされていた『遊星からの物体X』を観たので、クリーチャーの造形美が劣る。尚且つ内容も非常に不快という言葉しか残らなかったので、一周回って面白かった。

人間がピンチになった時の社会としての縮図が見られた。人は何かに縋るしか希望を見出せず、ここでは宗教にハマってしまう。(胸糞ポイント1)特にアメリカ社会では宗教が切り離せない存在であると思うので、日本人だと理解し難いシチュエーションになっていたと思う。*主人公たちも宗徒と化した奴らが頭のおかしいと感じていたので、結論理性を欠いた宗教信仰の恐ろしさは万国共通の認識であると思う。

登場人物達の性格やポンコツ行動が最悪(胸糞ポイント2)。宗教おばさん、掌返し帽子男、黒人弁護士?、など生粋のイライラさせる人物が多数出てくる。

救いのないエンド(胸糞ポイント3)。
やっと脱出できたと思ったら、町中が霧に飲み込まれている。妻も死んでしまって、巨大な化け物が徘徊しているため、絶望しか残らず。結果子供の希望を投げ捨て、心中を図るが、ものの数分で事態が収まっている事を知り、父親だけが生存。トラックで最初に街に飛び込んだ女性が生き残っているという哀れな展開で幕を閉じる。

映画全体を通してデヴィッドの行為が正当のように思えるが、実は周囲の人たちの死亡が彼の行動により原因となっているのが非常に皮肉。絶対的な正しさは存在しない事を学ぶ。人間とは結果に身を任せるしかない運命なのかもしれない。

胸糞3ポイントが挙げられる、胸糞傑作映画でした。2度と観たくないです。
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