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警視庁物語 血液型の秘密のcatmanのレビュー・感想・評価

警視庁物語 血液型の秘密(1960年製作の映画)
5.0
1960年公開。シリーズ第13作。次々と野犬を乱暴に捕獲する保健所の職員が草むらで嬰児の死体を発見してしまうOP。そう言えば昔は外で野良犬をよく見かけた事を思い出す。激しい雨が降るなか林刑事と一緒に張り込み中の金子刑事が野良の子犬を抱きあげるシーンが印象的。粛々と職務の遂行にあたる刑事達を敢えて無個性に描く本シリーズの中で、コンビを組む事が多い花沢徳衛と山本麟一が時おり見せる人間味が良い。聞き込みの最中、子供にお小遣い10円をねだられて仕方なく5円をくれてやるアパートの噂好きのおばちゃんがその芝居も含めてオモロイ。東野英治郎が愛人に執着するケチな初老の旦那役。松村達雄が町の産科医でチラッと登場。
クライマックスは血液鑑定のシーン、緊張感たっぷりで見応えがある。ここでの今井俊二は最低最悪のクズ野郎を好演していて見事。ラストはめちゃめちゃ後味の悪いバッドエンドで、どうにも救われない被害者の生前の思い出写真を大写しにする珍しく感傷的な演出にますます気分が落ち込んでしまう。だがしかし、これが伏線となり次回作へと繋がって行くのであった… 56分。
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