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戦争と平和の一のレビュー・感想・評価

戦争と平和(1947年製作の映画)
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山本薩夫&亀井文夫が共同監督でGHQお墨付きの平和憲法発布記念映画ともなればガチガチに左で説教くさいのはしょうがないけど、生きていた英霊・二重結婚・PTSDと、題材はメロドラマ的な部分もありつつ普通に面白い。足踏みミシンの音と銃声が重なる狂気のオーバーラップ!を経てPTSDからアッサリ回復する池部良。彼が東京裁判の記事や日本の中国侵略を子供に教える伊豆肇を見て腹を立てるシーンとか、戦後のドサクサでウマい汁すする成金の菅井一郎とか、敗戦・戦後に対する受け止め方もそれなりに描き分けられている。しかもこれ敗戦から2年後の映画だから、それはもうこういうことが本当にあったんだろうなと、ボロボロで悲惨な日本の姿が丸写しだった。キレイキレイな伊豆が「何百万人も僕らのような人たちがいる」と繰り返すが、戦後復興に際してこういう全国民規模の共通認識が果たした役割って大きそう。
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