たてぃ

ルシアンの青春のたてぃのレビュー・感想・評価

ルシアンの青春(1973年製作の映画)
4.5
「中学や高校の時にこーゆーヤツいたよな」と思い出させる悲しい作品でした。その“ヤツ”とは、クラスでは大人しめだったが、ある日突然不良グループに仲間入りして豹変した人のことです。

ナチス占領下のフランス南西部のある街が舞台。連合軍によるノルマンディ上陸作戦が始まった1944年6月、主人公の青年は休暇で実家のある村へ戻るもそこには既に自分の居場所がないと分かる。対独レジスタンス活動に参加しようと組織とコネのある恩師に相談するも断わられる。仕方なく町に戻るがドイツ警察(ゲシュタポ)に連行されるも署内にいた人達に気に入られあっさりゲシュタポ入り(連合軍がすぐそこにまで進軍してるのに)…そこからナチスの権威を借りて威張りまくりのやりたい放題(銃は所持出来るはカネも沢山貰えるし)…そしてある日、洋服の仕立て屋に行き、そこにいた娘に一目惚れ。しかし彼女はユダヤ人であって…

ナチスの登場シーンが少なめだったのと、ゲシュタポの極悪さがそれ程多く描かれてなかったのが個人的にはもったいなかったなぁ、と思いました。恋愛シーンと主人公の傍若無人っぷりが多めでした。ただ、それでも良作です。

無教養で国内情勢を知らない田舎の青年の生き方を通して戦争の悲惨さが描かれているルイ・マル監督らしい作品でした…
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