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イン・アメリカ/三つの小さな願いごとのprocerのレビュー・感想・評価

3.5
 アイルランドから夢をかなえるためやってきた売れない俳優一家。
妻と二人の娘を持つ彼らには末の息子を亡くした哀しい
事実を引きずっている。

 売れない役者の大黒柱が、何とも失言や失敗が多く、
映画らしからぬリアリティがあるなと感じ、
逆にその部分に真実味があって考えされられました。
鑑賞後知りましたが、この作品は監督をモデルにした実話。
道理で・・・納得しました。

「マイ・レフトフット」や「父の祈りを」を撮った監督が
敢えて挑んだ自らの物語。
物語をIFとして考えると、
自分にこの悲しみを乗り越える自信はありません。
耐え難い悲しみでしょうね・・・
痛切に伝わってくる家族の想い。
二人の娘も実際に姉妹だそうで、
そんな細部にわたる思い入れもこの作品を
成功に導いた原因に思います。

 泣きたいのでこの作品を選んだ方には、
リアルな展開や描写にそうならないことも予想されます。
私はこの頼りない父親に共感を覚え、
その悲しみややるせなさが伝わって
感動だけでない涙が流れました。
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