かえるのエリー

イン・アメリカ/三つの小さな願いごとのかえるのエリーのレビュー・感想・評価

3.9
昨日「キングスマン:ファーストエージェント」で久々にジャイモン・フンスーを観て、試写会で観た本作を思い出した。Disney+で見つけて再鑑賞。

皆んな最優秀こそ逃したが、この頃ノリに乗っていたサマンサ・モートンは主演女優賞、ジャイモンは助演男優賞、そして娘2人と自伝の脚本を仕上げたジム・シェリダン監督は脚本賞でアカデミーにノミネートされている。

末っ子長男のフランキーを失ったサリヴァン一家は車1台と僅かな荷物だけでアイルランドからニューヨークへ移住し、貧しいながらも新しい生活を始める。明るい娘たち、明るく振る舞う夫婦。喪失感を隠して生きる中、1人の住人と出会い。。。


以下ネタバレ感想


クリスティとアリエルの姉妹が素晴らしい。演じたサラ&エマ・ポルジャーは実の姉妹だけあって息もピッタリ。ちょっとオマセで、でも年相応の愛らしさに溢れるアリエルに対し、常にビデオカメラで家族を記録しているクリスティは、両親が隠しきれなかった喪失感を感じながら一番頑張っていたわけで、しかも輸血まで志願し、父を癒し。。。そんなクリスティをサラが完璧に演じている。

前半は少々退屈で、あれ?こんなだったっけ?と思ったが、マテオ(ジャイモン)が関わり出してから物語はグイグイ進んでいく。父の破天荒さや情けなさが目につくが、監督の自伝と思えば納得。「父の祈りを」では親→子への愛が救いとなったが、本作は誰よりも早く大人になってしまった子→父への愛が救いとなった。学芸会で唄ったあの名曲も良き。