アランスミシー

ドッグヴィルのアランスミシーのレビュー・感想・評価

ドッグヴィル(2003年製作の映画)
5.0
1回目、2014/10/12

2回目、オールタイムベスト更新

人類が持つ最大の悪とは偽善である。
それは善悪という概念を持ってしまった人間が行う自己正当化によって生み出された盲目的道徳感が知らぬ間にもっとも残虐な被害を生み出しているという事実。
トリアーは一体人生何周してるんだろ…

衆愚政治の実態。
まさに今このトランプフィーバーが止まないアメリカ国内で再注目されるべき作品。

見返りを求めてる時点でそれは真の愛とは呼べない。真の愛とは、自我の充足をし尽くした人間が初めて今度はこれまで受け取った分他者に与えようという自然発生的に起こる感情である。
そこには道徳的説法も他人のジャッジも介入し得ない。本人の純心から来る本人のみぞ知る感情なのだ
=米国統治下ドイツの実態

完全に自由になってから愛し合う=少しでも相手に弱みがある状態で築かれたそれは純粋な愛とは呼べない、対等さが担保されて初めて築けるモノである。

ラスト犬だけは生き残らせたグレースの選択に未だ犬=ドッグヴィルに残る細やかな希望と、再びあの犬が集団意識を持ち国家の名の下の人民として生活し始めた時に再び神から試される未来が見えた


【エンドロールのスナップ写真】
=アメリカの実態
黒人、白人、ホームレス、銃社会、ニクソン