ほーりー

御冗談でショのほーりーのレビュー・感想・評価

御冗談でショ(1932年製作の映画)
3.7
く、くだらなすぎる…。

チコ、ハーポ、グルーチョ、ゼッポの四人兄弟によるお笑いユニット・マルクス兄弟のパラマウント映画。

原題は「Horse Feathers」。スラングで「ナンセンス」って意味らしいが、これを「御冗談でショ」と邦題つけた先人は本当にセンスがあると思う。
これ直訳で「馬の羽」としても意味わかんないからね、「馬の毛」なら落語になっちゃうし。

本作品の次の年に発表した「我輩はカモである」があまりにブッ飛んだ内容なもんで、興行的に失敗したマルクス兄弟ではあるが、本作も「我輩は~」に負けず劣らず狂っとる。

大学総長の座についたグルーチョ(そもそも何故こんなに頭がおかしい人が教授になれたのがワカラン)が、フットボール部を強化しようと、強い選手がいるとの噂を聞き付けて、氷屋のチコと野犬捕獲員のハーポをスカウトするが…

と、一応ストーリーらしいのはあるものの、観ればすぐにわかるが、筋らしい筋が全くない笑。

とにかくあまりにもギャグのテンポが早すぎて、全く追いつくことができない。
ハーポなんて、そのままカートゥーンから飛び出して来たようなキャラで、そのハチャメチャぶりに唖然としてしまう。

だって、トランプ切ってくれって言われて、いきなり斧を振り下ろすだもん笑。

あと後半、ひっくり返って笑ったシーンがあるのだが、ネタバレになってしまうのでここでは内緒!

チコのピアノ、ハーポのハープは「オペラは踊る」でも披露されているが、グルーチョのギター弾き語りは珍しい(ってか私が知らないだけかも)。

マルクス兄弟は「我輩は~」もそうだが、音楽のレベルが高いのも特徴。年齢はほぼチャップリンと同じ世代なのだが、トーキー時代に花開いたというのも、この音楽性のセンスの良さによるところも大きい気がする。
ほーりー

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