叔母が10日間入院することから、ブダペストからやってくるいとこ、エヴァを預かることになったウィリー。彼女と過ごすことでいとこでありながら意識するようになる。一度、別れてからも、ギャンブラーとして稼いでいたウィリーは友達と共にエヴァがいるクリーヴランドまで行く。そこからフロリダへとまたエヴァを連れ、旅をすることになる。
ジム・ジャームッシュの静かさを感じる面白い映画。すごく好みだけれど、人を選ぶ映画。
この映画はとにかく、何も起こらない。何かあるんだけど、何だよこの空気、と言いたくなるシーンがすごくつづく。それがまた面白い。
何とも言えない、人の思いがあるからこそ、面白く感じる沈黙。特にいいのは中盤に出てくる映画を見るシーン。単なる映画を見ているだけのシーンなのに、四人いて四人とも違う佇まい方と、空気がクスクスと笑わせてくる。
この映画のいいところはこの沈黙、退屈さが面白くなっていると思う。
人と人がつまずきあって生まれる、その声のする静けさを感じる映画だと思った。
