飛行能力や怪力といった超人パワーで悪を退治し、街を守る男ジョン・ハンコック。不死身で何千年も生きている地上にただ一人の存在。しかし、コントロールのきかない超人パワーのせいで事件解決の度に街を破壊し、いつしか嫌われ者のヒーローになっていた。ある日、ハンコックに救われた営業マンのレイが、彼の信用を取り戻すべくプロモーション活動を企てる。ハンコックは果たして信用を取り戻せるかという物語。
コントロールのきかない超人パワーで悪を成敗し、街ごと破壊していく様子が面白かった。少しの配慮があれば街も崩壊せずに済むはずなのに、ピンポイントで破壊していくセンスが凄い。クズと言われてブチギレるのはしょうがない。
世の中にはたくさんのヒーロー作品があるけれど、素行が悪く周囲から認められずひねくれてしまった世界線のヒーローがハンコック。
悪と対峙し世間から嫌われているヒーロー像をなんとか良い方向へ持っていこうとする前半の展開が好きだった。後半になりハンコックの過去や素性が明かされはじめ、メアリーもストーリーに絡んでくるあたりからグダグダになったのが残念だった。前半の勢いのまま最後までいって欲しかったな。
離れれば超人の力が増し、近づけば愛の力が深まるというロマンチックな展開が素敵。
“フランケンシュタイン”の映画の話題が出てくるが、これは人間に生み出された化物であり人間のコミュニティに入れないハンコックを象徴しているんだろうと思う。
どんなに孤独な人間でも感謝してくれる人や応援してくれる理解者が1人でも入れば、ドン底から這い上がって前向きに誰かのために生きていけるんだろうな。
後半になって超人のよく分からない設定には戸惑ったけど、題材の着目点は面白い作品だと思う。ぶっ飛んだ設定だったらもっと面白くなっただろうな。
ウィル・スミスが日本語を話す貴重なシーンが結構好きだった。それにしても、シャーリーズ・セロンの美貌には癒される。今作の彼女はちょっぴり怖い。
ケツに頭をぶち込むシーンは笑った。斬新な発想すぎだ。