地底獣国

恐竜・怪鳥の伝説の地底獣国のレビュー・感想・評価

恐竜・怪鳥の伝説(1977年製作の映画)
2.1
恐竜も鳥も出てこない(出るのは首長竜と翼竜)し伝説も「竜」の方だけ、って言うか「鳥」は残り20分ぐらいになって唐突に現れる。

自分が「大特撮」読んだのは中学1年か2年ぐらいだったと思う(ちなみに初版ではなく朝日ソノラマ版)がその中で本作を「どこに7億5千万円かけたのか」と酷評していたのが印象に残って、「一度は見てみたい、でも金出すのはなぁ…」と長年思っていたところ、期間限定で無料配信されていたのでこれ幸いと鑑賞。

いゃ〜確かにこれは凄い!ヒドい🤣

東映社長の「アメリカで起きたヒットの波(この場合ジョーズ以降のアニマルパニックムービー)は数年遅れで日本に来る!」という確信的推測に基づいて作られる事になった本作、画面から滲み出る「作らされてる感」が何とも言えぬ味わい。いや、実際どうだったかは知る由も無いけど、出来上がった物を視てるとそんな風に感じてしまうという事。ついでに「誰かが3億7千万ぐらい中抜きしてるんと違うか?」とも。まあ製作の遅れとか撮影が長引いた所為で人件費が嵩んだという事情もあったんだろうけど。

話がなかなか進まんとか楽曲のセンスが変だとか「ジョーズ」と同じ様な場面が入る事によって彼我の力量差が残酷なまでに顕れているとか、そういうのはこの際眼を瞑って眼帯して更に包帯グルグル巻にするとしても、ビジュアル的に最も大事なはずの「恐竜」と「怪鳥」のどうしようもないハリボテ感には半笑いを禁じ得ない(これも当時の額で2000万掛けたらしい)。この両者の侘しい闘いを死んだ眼で眺めていると更に主人公とヒロインの危機的状況をチンタラ映したうえで唐突に「終」の文字が出て唖然‥

あ、でもしっかりフラグ立ててからの爆発シーンだけはおもろかったな。あとこんな仕事でも渡瀬恒彦はずっと真剣にやってる感じがして好感。スクリーンプロセスはグリーンバックより芝居し易いというメリットもあって近年復権してるけど、肝心の投影されたモノがあんな奴(各自検索のこと)だったら芝居も何も出来なさそうなのにちゃんと「目の前に凄い生き物がいる」っぽい演技できるのは尊敬しかない。
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