名探偵コナン、劇場版第7弾。
今回の舞台は京都。
そして、服部平次と和葉の“初恋”が絡む。
確か先に観た『から紅の恋歌』もこの2人の絆が試された話だったが、この2人の付かず離れずの関係の話は騒がしい。和葉が。
だけど、この2人の関係をフォーカスすればするほど、蘭の逢えない気持ちが募る回でもある。
そして案の定、今回も蘭の“逢いたい気持ち”の琴線に触れる。
京都を舞台に「義経と弁慶」の歴史的な逸話に因みながら、寺社仏閣を狙う宝物窃盗団が盗んだ像の行方と、そこから発生した殺人事件をコナンと平次が追う話。
京都と「義経と弁慶」と、平次の“初恋”、そして蘭の慕情。
この組み合わせにより、歴史観とノスタルジックさが漂い、切なさとそれぞれの絆を感じる作品。
源義経は京都を追われて、最後は平泉で命を断つ。義経と弁慶は源氏と平家の争いを経て、とても深い友情で繋がり、弁慶が義経に臣従したとされる。
弁慶が刀狩りみたいなことしてて、999本までいき、最後の1000本目の相手が義経であったとされ、その対峙が五條天神社。
斬りかかる弁慶をアクロバティックに交わす義経。この日は勝負はつかず、翌る日に清水の舞台で再戦。
結局、リベンジどころか義経に返り討ちに遭う弁慶。そこで、弁慶が義経に臣従する誓いを立てる。そこから、義経と弁慶の数々の深い友情の物語が始まる、、、とされる。
その辺の説明もわかりやすくしてくれていて、五條天神社や清水寺も出てくる。
京都の寺社仏閣に興味がある人やライトに歴史が好きな人が観ればそれなりに歴史に想いを馳せることもできる。
その義経と弁慶のように、コナンと平次が躍動する。
あのバイクチェイスはなかなかスピーディーで視点がリアルでリアルな疾走感があって良い。
京都の網の目状の街並みや、少し離れれば青々とした山々と自然の中の寺社仏閣。
その京都の街並みや通りの名前、お寺自体が謎解きに使われ、実際にそれらをバイクで駆け抜け、犯人とも何度も対峙し、命も狙われる。
追い詰めたかと思いきや、逆に追い詰められる。
犯人もかなりの手練れ。
さすがに平次とコナンも、押される場面もある。
その辺の駆け引きや、アクション、そして和葉や蘭の胸中に秘めたる想い。
色んな絆がさり気なく、存分に交錯する哀愁と歴史ロマンとアクションが折り重なる作品。
平次と和葉、新一と蘭、このコナンシリーズにしてはやや大人な恋愛模様にドキドキできるが、これが出てくると灰原の活躍が控えめになってしまうのが個人的に残念ポイント。