GreenT

トゥリーズ・ラウンジのGreenTのレビュー・感想・評価

トゥリーズ・ラウンジ(1996年製作の映画)
3.0
スティーブ・ブシェミが監督、脚本、主演を務める映画があったんだ〜!と興味を持ちました。

主人公のトミーは、トゥリーズ・ラウンジという地元の寂れたバーに入り浸るバーフライ。他にも常連さんがいて、みんなベロベロで仲が悪い(笑)

「バーフライ」って、「バーのハエ」つまりいつもバーにたむろっている人のことを言うんだ〜と今回学びました。

自分で監督、脚本、主演までして表現したいキャラってどんなのなんだ?って思ったら、完璧な負け犬で、トミーというキャラがどういう人なのか、だんだん明かされていくんですけど、雪だるま式に悪くなってきます。

こういう人のことを「自己破壊的な人」っていうんだって、いくつかの映画レビューに書いてあって、こういう人を面白い、親近感が湧く、と思う人が多いようでした。映画評論家のロジャー・イバートさんもこの映画は高評価で、「バーフライの生態を、こんなに緻密に正確に表現した映画はない」と褒めてました。

私は最初の30分くらい、トミーの日常描写ばかりで、「これってまさかこのまま淡々と進んでいくのかな?」と心配になったのですが、その後はちゃんとストーリーがあって、そのストーリーも興味深いものがあったのですが、リズムがない映画だなあと思いました。例えば『ア・ゴースト・ストーリー』のようなめっちゃくちゃスローな映画でも、その映画独特のリズムがあって、それに乗れれば観れるんですけど、この映画は乗れないなあと思った。

しかし役者さんはみんな良くって、しかもオールスターなんですよ。ブシェミはこういうしょ〜もない男演らせたらめちゃ上手いし、トラックの運ちゃん役でサムL・ジャクソンがなに気に出ていたり(1シーンなのに、やっぱ存在感ある)、『ブラック・クランズマン』に出ていたブシェミの兄弟のマイケル、『グッドフェローズ』でヘンリー・ヒルの愛人役を演じている女優さん、ボールドウィン兄弟でもあんまり有名じゃないダニエル、あと『ソプラノズ』で知っている有象無象の役者と、ちょっと「脇役俳優大会」みたいになってますが「なんだか知ってる人たち」ばかりで、みんな好演していると思いました。

その中でも一番良かったのが、クロエ・セヴィニーでした!デビーという17歳の娘を演じているんですけど、本当に可愛くて、しかも演技が自然でリアリティがある。

あと、アイスクリーム・トラックが来てもいつもアイスクリームを買えない5歳くらいの男の子がいて、これがすごい可笑しいんですけど、この子もしかしたらマイケル・ブシェミの息子かもしれないです。

トミーは、酒ばっか飲んでいるんですけどコカインも好きで、なんだけど、無職でお金ないからコカインは買えないのか、持っている人がやるときに分けてもらうんですけど、それを物欲しそうに待っている姿とか、隙を見てかっさらおうとかする、セコ〜い感じがブシェミだなあ〜と思いました。

ネタバレはコメント欄で!
GreenT

GreenT