【送り火】
毎年この時期に個人的に行っている「もっと日本を知ろう!ウィーク」。
それは政治であれ、文化であれ、人物の偉業や功績であれ、一年の中で「お盆」という時期が、僕の中で日本人としての「ナショナリズム」や「アイデンティティ」を実感するタイミングなのかもしれない。
蚊取り線香のツンと鼻を刺すような臭い。
南部鉄の風鈴の音が心地よい縁側で団扇をパタパタと扇ぎながらゴロリと昼寝をする。
親戚が一堂に会して行われる大宴会。
年末年始はそこまで気にしないのに、何故かこの時期はまじまじと見つめてしまうご先祖さまの遺影。
懐かしい旧友との再会。
突然の夕立にムワッと沸き立つ道路の土埃の匂い。
極論を言えば、全部が全部「僕の記憶」ではない。
恐らく日本人として「心が落ち着く郷愁の原風景」として予め脳にインプットされているものもあるのかもしれない(現に北海道は気候風土の関係で「縁側」がある家は少ない)。
でも、不思議とこれらは日本の夏(お盆)の風物詩のように描かれることが多く、実際に触れたことはなくても、どこか「懐かしい」と感じてしまう人は多いのではないだろうか。
言ってしまえば、「戦争」も自分自身の記憶として残っている人は年々少なくなってきている。
このフィルマのレビュアーの方でも9割以上の方は戦争を知らない世代で間違いないと思う。
でも、日本人である以上、戦争によって生まれた「いくつもの業」を名もなき兵隊さんたちに背負わせておくだけで本当にいいのだろうか・・・・。
毎年、せめてお盆の時期だけは、彼らが背負ったものの重さを少しでも知りたいと思って、日本の戦争映画を観ることにしている。
・・・ダダ漏れの感想は内容にも触れていますので「硫黄島の洞穴」に隠しておきます。