新聞紙者の武村と謎多き硫黄島からの帰還兵との出会いを通じて描かれる、悲惨な戦地の記憶と帰還兵の苦悩と葛藤。
戦後間もない作品で、同名小説が原作と言うことで当時の生々しい記憶を元に描かれた作品であると思われます。
泥臭くも必死で生き残るための日々はレイテ島を描いた作品「野火」に似ていますが、大東亜戦争でも特に激戦地として有名な硫黄島を舞台にしており、わずかに生き延びた帰還兵の方々の苦悩や葛藤は想像を絶するものであるでしょう。
平成生まれで昭和を知らない私のような世代には身近に感じづらい時代ではありますが、決して忘れてはならない記憶として鑑賞するべき作品の1つではないでしょうか。