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日本侠客伝 昇り龍のyusukepacinoのレビュー・感想・評価

日本侠客伝 昇り龍(1970年製作の映画)
3.5
シリーズ10作目。シリーズでも屈指の出来ではなかろうか。前作同様、火野葦平の『花と竜』を原作に添え、今までシリーズ全ての監督を務めてきた功労者、マキノ雅弘から山下耕作にバトンタッチとなり、高倉健と藤純子をメインに鶴田浩二や片岡千恵蔵、中村玉緒に伊吹吾郎と久しぶりに気合いの入った配役となっている。女彫り師を演じた藤純子の脂が乗りに乗っていてその存在感は高倉健を食うほどである。監督が変わったことによりどことなく漂っていたマンネリからの脱却もうかがえる内容となっている。殴り込みシーンの迫力はもちろん、珍しく殴り込みのその先が描かれており、そこでの高倉健と藤純子の寄り添うショットの美しさは稀に見る山下耕作の美学を感じた。また、鶴田浩二と片岡千恵蔵の味付け具合も粋であった。
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