シン・エヴァに向けての鑑賞完走。
TV版と違って120分以内、三本で完結するのでサクッと見れるのが新劇場版の長所だなと思う。 庵野監督の編集がテキパキしてるのも一因とは思うのだけど。
かねてより前評判で難解難解と言われていたので心構えして見たら思ったよりは話の筋を追えた。とはいえサッパリ。見終えた感じが旧劇のポカーンに近い。
今作の崩壊後の世界のぽつんとしたうら寂しい描写はとても好みなので良かった。こういう全てがリセットされたあとのSFモノが好きなので画面だけで楽しめた。ボロボロの図書館や自販機の描写最高。滅びたあとの街並みも刺さる。庵野監督作品特有の次にどんな画面を見せてくれるのか、というワクワクが90分ずっと持続してくれるので難解でも見れちゃう。
作画の雰囲気が一新されていたのは14年空白が空いた設定の今作ならアリと思う。あと画面サイズって映画を変えるなと再認識した。シネスコになるとここまで印象変わるとは。
そして問題のキャラクター描写について。
シンジくん圧倒的支持、共感応援派としては今作の彼が不当に叩かれているのは解せない。英雄的行動だと思って頑張ったの全てが嘘であり、説明もされない。藁にもすがる思いで信じた、肯定してくれたカヲル君ですら不確定な状況。
これまでも説明不足、大人の圧力のオンパレードの中でよくやっていたと思うので今作の病みっぷり、ウジウジの爆発は当然かなーと思う。自然でしょ全然。というかもっと病んでくれて良いです。他のアニメの主人公が鉄人すぎるだけの話。
そして何よりいいのが、堕ちるところまで
堕ちた、堕とされたシンジ君を救うのが
アスカだということ。バカ、バカ、ガキと言いつつひっぱたいてくれるアスカの良さを存分に感じた。何より、ラストで起こしてくれるからこそギリハッピーエンドの感触で終われる。これ以上ないほど最悪の状況でも、ラストの3人の後ろ姿には希望を感じずにいられないのだ。
とはいえこれは続きがあるのを確定した状態で見た人間の感想。劇場リアルタイム組はお通夜だったと思う。
あとエンドロールの作画スタッフの豪華さにドン引きした。沖浦啓之 井上俊之 安藤雅司 平松禎史って一体どうなってるんだ。
さあどうなる、シンエヴァ。笑顔のシンジ君とアスカを見たいぞ。ゲンドウとも和解して欲しいし。諸々楽しみになってきた。