わをん

マザー・テレサのわをんのレビュー・感想・評価

マザー・テレサ(2003年製作の映画)
3.3
映画としては、自伝映画のわりに展開もはやいし撮り方も人物や舞台背景を綺麗に臨場感たっぷりに撮影されているのでみやすかった。それはいいと思う。ここからは、マザーテレサ本人への不信感を書いていこうと思う。
マザーテレサは、とてつもなく傲慢で頑固で独裁的で盲目的すぎる。キリスト教に反発する人々を無視し、平和の村の建設予定地を無許可ですすめ、資金ぐりは人任せ、青空学校では、ヒンディー語などの現地の言葉でなく、英語の読み書きを教える... なぜ、現地の人々の生活や文化を無視して、異国(本国が元所有していた植民地だが)で傍若無人に振る舞えたか?それは、彼女がイギリスの白人の女性、だからだ。彼女の慈善には援助がつきない。それは彼女のカリスマ性というわけでなく、それは、富と権力をもつ白人の女性が慈善活動をするという、典型的な植民地女性の活動そのものだったからだ。彼女の行いが全て偽善ということではない、しかし、後世の我々がこんなにも盲目的に、マザーテレサを賞賛することは、危険なことだとおもう。マザーテレサの、白すぎる善は、時に、両極端で横暴すぎる思想を植え付けかねないからだ。
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