チッコーネ

プンサンケ/豊山犬のチッコーネのレビュー・感想・評価

プンサンケ/豊山犬(2011年製作の映画)
3.5
朝鮮半島の分断を背景にした、特殊なラブストーリーかと思いきや、終盤にさらなるひと山を持ってくる脚本が盛りだくさんで、見応えあり。
撮り方にクセはないものの、南北の当事者でなければわからないデティールや、コメディタッチが豊富に盛り込まれているので、退屈せず観続けられる。
ユン・ゲサンの鍛え上げられた全裸は、目の保養。
北朝鮮女性の慇懃な口調を再現するキム・ギュリの演技と去り際も潔く、地べたを這いまわりながら唇を求め合うふたりのラブシーンは、壮絶な迫力。
主人公の出自は最後まで明かされないが、人間味を持たせた分、存在そのものを隠喩として活用する手法は放棄せざるを得なかったか。