イペー

スペース・レイダースのイペーのレビュー・感想・評価

スペース・レイダース(1983年製作の映画)
2.8
フォースに覚醒できない人々の覚醒!

"B級映画の帝王"ロジャー・コーマン製作、ジェームズ・キャメロンがSFXをアシストしたスペースアドベンチャー。

コーマン印のスペースオペラでございます。コーマン大先生が商魂を発揮。
スターウォーズに対抗心を燃やして制作された『宇宙の七人』から、特撮シーンと音楽を最大限に流用して、大幅なコストカットを実現しているそうです。

チグハグな編集、雑なドラマ性、既視感溢れるキャラクター造形などなど、珍作の香りが充満していますが、 そんなに悪い作品でもなかった…かも…。

宇宙海賊が盗んだ宇宙船の中に、たまたま乗り込んでいた少年、ピーター。
ピーターは宇宙を支配する大企業"カンパニー"重役のご子息。

息子を取り返すべく、追っ手を差し向けるカンパニーと、逃げる宇宙海賊の面々。
最初は厄介者だったピーター。
迫るピンチを共に乗り越える内に、海賊のリーダーであるホークとの間には、次第に友情とも呼ぶべき絆が芽生えて…。

以上が大まかな流れです。
海賊たちは一応、個性があってですね。
トカゲへッドとか、女海賊とか、優男風とか、見た目でもそれなりに主張。
彼らがピーターくんのために、命がけで戦います。

ところがですね、脚本が男らしいまでに大雑把なので、彼らのモチベーションやら性格やらが、サッパリ理解できません。
行き当たりばったりの大冒険です。
そんなステキな海賊たちが、ピーターくんのせいで、次から次へと危ない目に。

頼んでもないのに勝手に乗り込んできたチビッ子のために、宇宙を股にかける歴戦の強者がポイポイ死んでいきます。
腑に落ちないですが、まあカッコイイんで良しとしときましょう。(適当)

宇宙港にあるBARのシーン。完全にスターウォーズを意識して、様々な異星人たちで賑わって…人間の割合が明らかに多い。
そして唐突に始まる乱闘騒ぎ。本作屈指の迷シーンです。

美術や特撮なども、部分的にクオリティが高い中途半端な仕上がり。
その煮え切らない感じが、捨てがたい魅力を放っております。
とはいえB級耐性が低い方にとっては、気絶確定のトンデモ映画でしかないでしょう。

意外と楽しめちゃった自分は、映画に対するレーダーがブッ壊れてますのでね。
自分でも訳が分かりません!

…スターウォーズが観た…流石にしつこいですね。
でもスターウォーズのチケットとほぼ同額でDVDを購入したんですよ、この映画。
とりあえず元は取れた、と信じたい!
イペー

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