一人旅

地獄の門の一人旅のレビュー・感想・評価

地獄の門(1980年製作の映画)
3.0
ルチオ・フルチ監督作。

自殺した神父の呪いにより甦った死者と事件を追う人々の死闘を描いたホラー。

『サンゲリア』『ビヨンド』で知られるイタリアン・ホラーの巨匠、ルチオ・フルチによるゾンビ物で、フルチ監督お得意のグロテスク&残酷な描写が最大の売りの作品。比較的古い作品だが、CGを使わない怒涛のグロ描写は圧巻。

女の目から血が流れ、口から腸がニュルニュル出てくる...という理屈要らずの強烈な演出はもはや職人芸。また、アホみたいに怪力なゾンビが人間の後頭部を鷲づかみにして脳ミソもろとも引っこ抜くシーンや、電動ドリルを駆使した無慈悲な処刑シーンも出血多量でインパクト絶大。血の演出だけでなく、鑑賞者の生理的嫌悪感を刺激する繊細(大嘘)なグロ演出もしっかり導入。何の脈絡もなく突然窓から無数のウジムシが紙吹雪ばりに侵入し、人間の顔面にぺっとり貼りつくシーンは鳥肌の立つ気持ち悪さ。

映画においてエロとグロはワンセットになりやすいが、本作はグロばかりが前面に出されていて、エロは全くと言っていいほど無い。唯一、主人公の記者と行動を共にする女霊媒師が不自然なほど美人でセクシーだったが、これといってお色気サービスシーンは存在しない。

グロ描写に全力投球した作品なので、ストーリーはそれこそ有って無いようなもの。一応、呪いを解くために自殺した神父の墓を見つける...という基本プロットはあるものの、正直何をしたいのか良く分からない。何より、意味深...というより意味が不明な結末がすっきりしない。
一人旅

一人旅