タイレンジャー

ビヨンドのタイレンジャーのレビュー・感想・評価

ビヨンド(1980年製作の映画)
4.5
本作のグロ描写は素晴らしいです。

何がそんなに素晴らしいかと言うと、【顔面破壊】に特化していることが素晴らしいのです。

本作は『オーメン』のように関係者が続々と命を落としていく展開なのですが、そんな中でも顔面および頭部を著しく損傷して死に至った人が9割です。

・硫酸をかけられた顔がドロドロになる×2

・銃弾により頭部の半分が吹き飛ぶ

・杭が頭部を貫通

・手で顔面を圧迫され眼球が飛び出す

・ガラスの破片が顔面に突き刺さる

・タランチュラに顔面を喰いちぎられる(え?)

・飼い犬に首や顔面を喰いちぎられる

なぜそんなに顔面破壊にこだわるのでしょーか?

例えばゾンビ映画の場合。ゾンビは頭部を破壊しないと死なないという設定ゆえに、顔面破壊が多く登場するのは分かります。が、本作には顔面破壊の設定も理由も必然もありません。

特定の狭い要素に特化するような極端な映画はたまにありますが、顔面破壊に特化した映画なぞ前代未聞だと思います。

ルチオ・フルチ監督と言えば『サンゲリア』が有名だと思いますが、あれも尖った木片が眼に突き刺さるという印象的な顔面破壊シーンがありましたね。

あのシーンをさらに増強させて10倍のボリュームでお届けするのが、本作という感じです。

きっと『サンゲリア』の顔面破壊シーンが評判になったのか、または作り手がその道(?)に目覚めたのか、だと思います。

てな感じで、グロ描写こそが肝である本作は案の定と言うか、物語はまぁー適当ですね。お弁当に例えると、グロ描写がお弁当の中身で、物語はそれらを仕切ったり収納したりする箱に過ぎません。

それを踏まえて観れば、大いに楽しめる顔面破壊ショーです。