本作のグロ描写は素晴らしいです。
何がそんなに素晴らしいかと言うと、【顔面破壊】に特化していることが素晴らしいのです。
本作は『オーメン』のように関係者が続々と命を落としていく展開なのですが、そんな中でも顔面および頭部を著しく損傷して死に至った人が9割です。
・硫酸をかけられた顔がドロドロになる×2
・銃弾により頭部の半分が吹き飛ぶ
・杭が頭部を貫通
・手で顔面を圧迫され眼球が飛び出す
・ガラスの破片が顔面に突き刺さる
・タランチュラに顔面を喰いちぎられる(え?)
・飼い犬に首や顔面を喰いちぎられる
なぜそんなに顔面破壊にこだわるのでしょーか?
例えばゾンビ映画の場合。ゾンビは頭部を破壊しないと死なないという設定ゆえに、顔面破壊が多く登場するのは分かります。が、本作には顔面破壊の設定も理由も必然もありません。
特定の狭い要素に特化するような極端な映画はたまにありますが、顔面破壊に特化した映画なぞ前代未聞だと思います。
ルチオ・フルチ監督と言えば『サンゲリア』が有名だと思いますが、あれも尖った木片が眼に突き刺さるという印象的な顔面破壊シーンがありましたね。
あのシーンをさらに増強させて10倍のボリュームでお届けするのが、本作という感じです。
きっと『サンゲリア』の顔面破壊シーンが評判になったのか、または作り手がその道(?)に目覚めたのか、だと思います。
てな感じで、グロ描写こそが肝である本作は案の定と言うか、物語はまぁー適当ですね。お弁当に例えると、グロ描写がお弁当の中身で、物語はそれらを仕切ったり収納したりする箱に過ぎません。
それを踏まえて観れば、大いに楽しめる顔面破壊ショーです。