喜連川風連

恋の罪の喜連川風連のレビュー・感想・評価

恋の罪(2011年製作の映画)
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日常に潜む、女性のリビドーを園子温視点で描く。

性衝動に取り憑かれた3人の女。

凄惨な事件に出くわす女刑事は心のバランスを取るために不倫をしている。

文豪の貞淑な妻は非日常として性衝動を持つ。

父を愛した娘は性的衝動を自分の心から理解した感覚にしようと娼婦になっている。

その娘は恋愛対象として父に決してたどり着けない。そのメタファーとしてカフカの「城」を引用している。

カフカの「城」は城に入ろうとするも、その周辺をグルグルしたまま入れない男の話。

貞淑さの象徴として登場した娘の実母は人間の欲求を抑えた存在。それがいきすぎて狂気を感じる。

セックスとクラシック曲は時計仕掛けのオレンジオマージュか。

湿っぽいセックスシーン=ロマンポルノの伝統。湿っぽいから濡れ場って書くのです。
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