ねこじた

ル・コルビュジエの家のねこじたのレビュー・感想・評価

ル・コルビュジエの家(2009年製作の映画)
4.0
ドストエフスキーやカミュの現代版中編小説を読んでるよう。
1つの「窓」によって、浮上する隣の男の人間ドラマ。久々に極上のブラックで、めちゃめちゃ面白かった。

舞台のコルビュジエ邸やけど、ああゆう白と赤を基調としたスタイリッシュなインテリアを観ると、どうしてもキューブリックの時計仕掛けや2001年を思い出して贔屓目なる。
撮影はシュールな絵心が溢れた映像も盛り沢山。表情アップの抜きだけで語らせる静謐さとか、常にそら恐ろしさを付き纏わせる演出に心を掴まれ飽きなかった。
この実験的な世界観に入りにくい人も居るかもしれないけど、それも計算だと思う。楽しい。

エンドロールは、またセンスの良い遊び。
残像は、衝撃のラストの構図と、指人形のダンスの官能。
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