すずす

アルゴのすずすのレビュー・感想・評価

アルゴ(2012年製作の映画)
4.1
あたかも『パルプ・フィクション』の様なB級サスペンスとして作られたからこそ、A級扱いされ、オスカー最高賞まで獲っちまった、不思議な傑作。

配役はそっくりさん選択も、史実の再現よりも、重要なのは冒険アドベンチャーやB級サスペンス風に、セコく盛り上げていく手法なのだったと思われます。

80年代、『ダーティ・ハリー』時代のワーナー・ブラザースのロゴに始まり、オープニングは安っぽい絵コンテで重要な歴史背景を説明。
ドラマが動き出します。
B級っぽさが炸裂するのは、ジョン・グッドマンとアラン・アーキン扮する胡散臭いハリウッド・プロデューサーの辺り。ホテルで衣装をつけた読み合わせをする等、マンガの様な悪ふざけが続きます。

脚本も、明日、作戦実行という段取りになって、急に政府からNOが出たり、ハラハラ、ドキドキの盛り上げに徹したB級狙いがいい感じなのです。

映画通こそが評価する、B級なのにハイブローな映画。アカデミー賞を投票する映画人にこそウケる映画だったのでしょう。
すずす

すずす