あんじょーら

009 RE:CYBORGのあんじょーらのレビュー・感想・評価

009 RE:CYBORG(2012年製作の映画)
3.2
神山健治監督     Production I.G     U-NEXT


ふぅ、少し難しい作品が続いたので、気楽に観れる作品で、ヲタ仲間との話しの中で出てきた「普通を際立たせるために特殊能力で周りを固めたからこそ、普通が凄く見える」の代表格の009をみようと、数ある中で神山監督作品だからこそ、手に取ったわけですけれど、全然脳が休まらなかったです・・・流石神山監督作品はいろいろ考えさせられる・・・


攻殻機動隊SACのシーズン1,2で描かれていたかの様な、不安定な世界の話し、幾重にも解釈が可能な感じがある・・・この人、きっと伊藤計劃さんと会ってたら話が弾んだのではないか?と思うし、凄く私好み・・・攻殻機動隊SACは基本ずっとジョージ・オーウェルの「1984」の話しなんですけれど、ホント、そう言う所好き。


上海の高層ビル群に爆破テロが発生し、それをテレビで見る島村丈(宮野真守)は・・・というのが冒頭です。


すっごく大人向け、特に思想とか神とか思考とか政治、ポリティカルな世界に興味のある方向けの009です。


しかも映像は確かにカクカクする3DCGなんですけれど、なんか話が壮大なので、そんな事に構っていられなくなりますし、なによりスタイリッシュ!映画のアクションが好きな人にはどこかで観た、とか既視感あるのかも知れませんけれど、私はアクション映画弱者なんで、凄く新鮮でスタイリッシュで、面白かったです。


それに、とにかくフランソワーズが、大人の女性なんですけれど、無駄にサービスがあって、何か照れる、観てる方が照れる。


攻殻機動隊SACは「1984」という基があったからこそ、読んでいる人にとっては、とても感染力の強い、吸引力の強い作品になっていますが、それを基ネタなしで行う事に挑戦しているものの、難しかったかも。


ただ、私は凄く高評価です、そういう部分に挑んで、ある程度成功しているし、文脈で読める人は読めると思います。


それと、ラストに至る展開は、私は荒木飛呂彦先生の「JOJO」第6部だと思ってます。そういう解釈ができるし、そのように見せている。そう言う所も潔くて好き。


ただ残念だったのは 「誰がために」 を流して欲しかった・・・

そう思ったのは、私だけじゃないみたいで、

https://www.youtube.com/watch?v=lH1nkEBtyTc

そう、これが観たかったのだ。


というわけで、神山監督作品が好きな人にオススメします。