爆裂BOX

NITRO ニトロの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

NITRO ニトロ(2010年製作の映画)
3.9
恋人ジャッキーに突然振られたローマンは納得がいかず、女友達のアリと共に彼女の行方を追って辿り着いた建物では謎の老人二人組が女性を監禁しては何かの実験を行っていた。ジャッキーも全身にニトログリセリンを塗られており…というストーリー。
アルゼンチンの新鋭 アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ監督作ですが、これは面白かったです。
アリも建物から出てこなくなり、探し建物に侵入したローマンは、ネットで誘き寄せて拉致した女性にニトログリセリンを塗り何かの実験を行っているイカレタ老人二人と遭遇し、アリと恋人のジャッキーと共に何とか脱出しようと奮闘します。
ニトロを使った人体爆破シーンが出てきますが、この爆発シーンになるとハードコアなBGMが爆音で流れる所が面白いです。だんだんと病みつきになってきます(笑)
ニトロという薬品の恐ろしさもこれでもかと味わえます。一滴の滴を踏んだだけで吹っ飛んだり、ニトロ塗れになった髪の毛が落ちて大爆発が起きたり、極めつけはクライマックスのニトロを投げつけられて人体が焼け焦げ、はらわたが飛び散ってバラバラになって肉塊へと変わっていく様をスローモーションで捕えた様は近年のホラー映画の中でも屈指の名シーンだと思います。閉じ込められた一室から脱出する為に壁にニトロの滴を投げつけて爆発させて脱出する所は面白かったですね。
主人公がニトロ塗れのヒロインを救出するシーンはかなりの緊張感です。下に爆発物が置いてある階段をジャッキーがゆっくり背面で上っていくシーンはドキドキしました。ニトロ塗れの服を脱ぐシーンをじっくり捉えたマニアックなエロ描写もあり(笑)その後もパンイチにローマンのシャツ一枚というまたエロい格好で逃げ回る事に。
殺人鬼である爺さん二人のキャラも秀逸です。一人は爺さんなのに腕っ節が強く、もう一人は四点歩行器を使い、硫酸を注射器からピューピュー噴き出させながらユックリ追いかけてきます。この爺さんとジャッキーとのユックリとした追いかけっこはハラハラすると同時に滑稽です。隣のギャング一家に高所から注射器で酸を振りかける地味すぎる攻撃には笑ってしまいました。対してダメージ与えられてないし(笑)所々で過去を解雇するシーン出てくるのもなんかシュール(笑)特に最後のシーンとか。
また、地下にはゾンビの様な実験体の女性達もいます。ここは「壁に中に誰かがいる」っぽかったな。
四肢を切られてダルマ状態にされたLも出てきます(笑)凍人は助けてもらえなかったのかな?
隣に住むギャング一家は喧嘩っ早くて乗り込んだはいいけど、酸振りかけられたりニトロの爆発の衝撃のあおり喰らって吹っ飛ばされたりとばっちり酷かったな(笑)
ラストもヨリを戻さずに新しい恋を始める所も良かったです。
テンポも良く、緊張感に満ちてシュールさもある秀作だと思います。
この監督の他の作品も見てみたくなりました。