Tai

エル・クランのTaiのレビュー・感想・評価

エル・クラン(2015年製作の映画)
3.5
一体、誰が悪人なのか…?

独裁政治が終わりを告げ数年が経ったアルゼンチン。
平穏そうな家族がまさにその家で繰り返していた身代金目当ての誘拐。
一体、なぜ繰り返すのか?エスカレートしていく狂気はいつまで続くのか……?

色々と考えると非常に恐ろしいお話でしたね( ;´Д`)
繰り返し誘拐をしている父親と息子達はもちろん、誘拐から監禁され泣き叫ぶ被害者の声が聞こえているはずなのに、気にしないようにしている家族も不気味な存在でしたね。
悪いことをしているという自覚はあるようなんですけども、誰一人〝自分が悪い〟と思ってなさそうなんですよね。まるで〝仕方なくやっている〟というように…

彼らも何かの被害者とでもいうのか?ラストには衝撃が走りました。
実話ということで〝その後の彼ら〟のお話が出てきますが、そこにこそ人間の恐ろしさが含まれているように思います。
当時のアルゼンチン情勢を考えればというものがありますが、俯瞰してみるともしかしたら私たちも同じようなことをしている…かも?



作品とは関係ないのですが、今日で最後に劇場鑑賞してから2か月が経ちました…
あの環境が恋しいですね!あの作品に没頭できる贅沢な空間で、たっぷりと映画を堪能したいものです。
仕事のことも考えると、再開しても当分は控えないとかなぁと思いつつも、1日も早く気兼ねなく観に行ける環境がやってくることを切に願っている毎日でございます(つД`)ノ
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