えにし

桃さんのしあわせのえにしのレビュー・感想・評価

桃さんのしあわせ(2011年製作の映画)
3.9
その辺の邦画だったら病で倒れた老家政婦を雇い主一家で懸命に介護する——みたいな安易な感動ポルノにしがちなところを、ちゃんと老人ホームに入れるし、ちゃんと打算的な描写もあって、都合の良さがまるでないところが好きだった。これみよがしじゃない映画は好き。その辺はきっと実話ベースなのもあるんだろうけど。老人ホームの中では訝しげな表情を浮かべる桃さんが、雇い主の息子に会うときは顔を綻ばせる。そのあまりにも自然な表情の切り替えが作品全体のリアリズムを強靭なものにする。やけにざらざらした質感を映像が纏っていて、10年前の映画なのに20年前のにおいを感じた。えいがしろーとなので技巧的なことは知らないけど、照明の当て方とかが違う…?娘の初めての運動会を撮るお父さんがするような謎カメラワークが序盤にあったのは何だったんだあれ…。
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