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桃さんのしあわせのTkのネタバレレビュー・内容・結末

桃さんのしあわせ(2011年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

家政婦のタオさんとその仕えている家の息子ロジャーとのお話。タオさん自身、60年もの間、家政婦としてその家に仕えているのはすごいと思いました。(理由が理由だけに悲しいところもありますが)脳卒中で倒れたタオさんは、自ら介護施設に入るといって手続きしてもらいますが、香港の介護施設の様子が見えたのもよかったです。みんな色んな形で施設に入るわけで、他の家族が喧嘩していて、母と娘の喧嘩はなんか見ていて切ないし、最後母を亡くした娘は泣いていて、どんな気持ちだったのか。あんな風に喧嘩して終わりたくないって思いましたし、施設に入れるということは…というのも考えさせられることでした。
施設に入ってから誰も会いに来ないおばあさんがいたり、お金を借りて遊ぶおじいさんがいたり、何も話さずただ座って過ごす人もいる。みんなで麻雀しているのはちょっとほっこりしたり。
色んな日常の中で、ロジャーとタオさんの関係がちょうど良い距離感で接していてすごいと思いました。最後は大きなドラマがあるわけでもなく、そっと旅立つタオさんでした。生死を、そして自身の親のことや祖父母のことに対して考えさせられる作品だと思いました。私は少しでも恩返しができるように、人に優しく接することができる人なりたいと思いました。

No.63
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