家政婦である桃さんが脳卒中で倒れた。命に別状はないが後遺症が残るため老人ホームに自ら入ることを決意する。
そこで主人であるロジャーは身寄りのない桃さんのため献身的に尽くしていく。
介護事情はどこの国でも似たようなものだが、この映画は家族が介護ではなく主人と家政婦という関係で成り立っている。
尽くしてきたものが尽くされるという居心地の悪さ。
些細なことにも気を使ってしまうという、桃さんの人柄をそこの部分で表している。
だから誰もが桃さんを慕っている。
主役であるアンディ・ラウは脇役に徹しており、ディニー・イップこそ主役である。
老けメイクも辞さない容貌の変化は真摯に演じた賜物だ。