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演劇2のarchのレビュー・感想・評価

演劇2(2012年製作の映画)
4.3
Ⅱになってようやく平田オリザが本名であることを知った。
ⅠとⅡは同じ撮影期間の中でテーマ毎に分けて編集した作品で、Ⅰは「演じる」ことについての平田オリザ論を見せつけられるような作品だった。Ⅱは「演劇」の未来についてのドキュメンタリーという感じで、平田オリザの感じる危機感とその為の方策について描かれる。相変わらず体系的でしっかりと言語化されている「演劇論」が展開されていて気持ちがいい。滑舌や口語の組み立て方という二点で"聞き取りやすい"被写体がドキュメンタリーの中心にいるだけでこんなにも気持ちのいい作品になるのかという発見がある。

どう演劇をやる人を増やすか、観る人を増やすかをひたすら考え、地方に働きかける姿勢。世界を自転車旅していた過去の対比で、その青年団のアゴラを守ろうとする姿もとても感傷的に映る。

Ⅰよりも疲弊している印象を植え付けてくるなと思うと、最後にはいびきなのだから意図的で凄く納得してしまった。

これを観て青年団の舞台を観たいと思わない人はいないのではないだろうか?二本まとめて大傑作でした。
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