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戦争と人間 第一部 運命の序曲のKUBOのレビュー・感想・評価

4.5
いつか見よう見ようと思っていたけど、その長さになかなか手を出せなかった『戦争と人間』を見始めた。

太平洋戦争は現在までたくさんの映画も作られ、かなりわかったつもりになっているけど、昭和3年の満洲から始まる「日中戦争」までの時代はざっくりとしか知らないところだったので勉強になるし、大いに引き込まれた。

「伍代公司」という大陸に進出した新興財閥を中心にして、戦争前夜の大陸での利権のために、中国国内の内紛と日本軍の動きを探り合う様が緊張感を持って描かれる。

若い頃の浅丘ルリ子がおそろしく美しい! シーン毎に違うファッションとヘアースタイルにも注目。二谷英明と高橋秀樹を手球にとる妖艶さは特筆もの。

子役時代の中村勘三郎が全然変わってなくてかわいいし、おもしろい。

作品中、韓国での「万歳事件」という独立運動で3万人も処刑されたということを恨みとして日本人に叫ぶシーンが出てくるが、この事実は恥ずかしながらこの作品で初めて知った。この数字自体は諸説あるようでWiki では7500人となっているが、今も根強く残る韓国人の日本人への恨みの根っこを我々が忘れてしまっていてはいけないと改めて思った。

第一部は開戦のきっかけとなった有名な「満鉄事件」辺りまでを描いているが、いつの時代も為政者たちは、自作自演の事件をお越し、自国民保護を名目に「戦争」を起こすという点は、今のウクライナ戦争のロシアと全く同じで、何十年経っても人間が全く進歩していないことを感じて悲しくもなる。

昭和の名優総出演の超大作。これはすごいわ。引き続き第二部へと進もう。
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