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荒野の誓いのkingshorsemanのレビュー・感想・評価

荒野の誓い(2017年製作の映画)
4.2
アメリカ人の本質は頑なで孤独な人殺しだというD.H.ローレンスの言葉から始まる本作で示されるのは、アメリカはその始まりから、暴力、偏見、憎しみにあふれた国だったという歴史認識だ。そこから観るものが受け取るのは、だから差別や暴力はやめましょうという安易なメッセージではなく、人間はこれ程深く憎み合い傷つけ合うことができるのだという冷徹な真実と、このような直視しがたい真実に面しても人間は生き続けてきたというほのかな希望である。重いテーマだが、抑えられた演出のおかげでなんとか最後まで観られるようになっている。
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