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バッファロー’66のTaTのレビュー・感想・評価

バッファロー’66(1998年製作の映画)
5.0
こんなにも自分の人生をなぞってくれて、こんなにも感情を揺らしてくれる映画はなかった。
冒頭からトイレを探してさ迷うビリー。彼の現実には無関心な親とクソ見たいな人生と強がる自分があるだけ。
ビリーの虚勢が剥がれ落ちた時の「もう生きれない」とうなだれる様に何とも言えない共感を覚える。彼の歪な人生は深く刺さったな。ラストの方の彼の想像と現実の選択も。

一言で言えばクズのための映画なんだ。それとヴィンセント ギャロのセンスが堪能できる映画。ファッションから音楽までこの映画には多大な影響を受けた。赤いヒールブーツ履いたり、革のジャケット着たり、YESとかキング クリムゾン、スタン ゲッツからジャズ聴き始めたりね。
この映画見てからセンスと感性ってのが自分が生きる上での指針になったと思う。今でもそんなのばっか追ってるし。
「クズで不器用でもカッコ良く」
そう素直に思えたこの映画は生涯ベスト。

でも、唯一言いたいのは「クリスティーナ リッチみたいな女は現実にはいねぇ!」ってことかな(映画的存在として彼女の存在はあって、そこは面白いんだけど)。
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