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千年女優のぉゅのレビュー・感想・評価

千年女優(2001年製作の映画)
3.8
2022年 鑑賞 22-194-21
BS12 日曜アニメ劇場 にて
「パーフェクトブルー」「東京ゴッドファーザーズ」「パプリカ」等の今敏監督・原案・脚本による、かつて一世を風靡した大女優の藤原千代子(声:莊司美代子さん[70代]/小山茉美さん[20~40代]/折笠富美子さん[10~20代])の半生を振り返るドキュメンタリー制作を依頼された映像製作会社社長の立花源也(声:飯塚昭三さん/佐藤政道さん[青年期])。30年前に人気絶頂の中忽然と姿を消し、以来公の場に現われなかったが、千代子の大ファンだった源也らが屋敷を訪れ、ようやく姿を現した千代子が戸惑いながらも語り始めた自らの人生を描くアニメ作品。今監督と音楽の平沢進氏の初のタッグ作品でもある。

ー 千代子の千年続く愛 ー
今敏監督映画作品の4作品目。これで映画はコンプリートだが、まだまだ何度も観たい!あと途中までしか観ていないTVアニメ「妄想代理人」をもう一度最初から一気見したいですね。

冒頭のシーンは千代子出演の映画やドラマ(フィクション)だよね?やっぱり!あのテレビ画面が教えてくれた!
千代子 = 分かりやすい方でいったら一時期の淡路恵子さんや山口百恵さん、近年では堀北真希さん的立ち位置だよね。

クラシカルな撮影所の取り壊し故のドキュメンタリー。あの家の家具や柱や天井等を静止画で映すところがいいっ!バンッと世界観に没入できる。立花が言っていた通り、あの人は歳をとらないというのがわかる気がする。家自体が時が止まっている様。お手製ハーブティー、異変、お迎えに、「ダメよ 堅苦しいのは」、千代子を感じた時の立花の姿、LOTUS = 水蓮、花言葉は純真、鍵、地震には縁がある、地震までお祝い、地震と生まれた...

“私 行きます 必ず会いに行きます!”
関東大震災、少女雑誌、鼻ペチャ、スカウト、いかがわしい?、御国のためと家を守る、まさに映像ならではの表現、今期のドラマ「初恋の悪魔」のあのシーンのよう、ある青年との出会い、千代子の行動と倉に匿われる青年(声:山寺宏一さん)の約束、山寺さんの声は本当に男前で艶っぽい、社長の持ってきた●と、粋な番頭さん、駅でかける千代子と走り出す電車、結局追いつけなかった千代子... 「ごっつうドラマティックやぁ」「あっ 俺はこのシーンを劇場で53回泣いたなぁ」観ているこちら側も立花らの気持ちになってしまう...

映画の世界へ。満州が舞台、御国のためじゃなくて鍵の青年を探すため、島尾詠子(声:津田匠子さん)という看板女優、の船のシーンに記憶が!あのテレビで映っていたよね?ってことは、あれは早●●?、大滝諄一(声:鈴置洋孝さん)が登場!千代子にちょっかいを、今の大滝は立花の上司、怖がるような立花、詠子の嫌がらせ?、占い、鍵の青年に会いに行こうとする千代子、千代子の乗る列車が馬賊の襲撃に遭い、必死で扉を開けようとする千代子、不思議なことが...

「どこが馬賊やねん!」、今度が時代劇。大量の矢、井田恭二(声:小野坂昌也さん)の姿はまさに「蜘蛛巣城」、「殿 なぜ姫を待って下さらなかった」、脇差で自殺をしようとするが、「お待ちなされ」、糸車の老婆、やっぱり「蜘蛛巣城」だ!、妖、「それを飲むがよい」、千年の呪い... これは千代子と立花の妄想芝居か?

“待って! お願い! 開けて下さい!一目会いたいんです!”
くノ一千代子 vs くノ一詠子、木枯らし?、チャンバラ、場面変わって京都の花魁?やっぱり千代子と詠子の対決構造、あの人 = 鍵の青年?、約束の場所、新撰組、顔に傷がある男性(声:津嘉山正種さん)、あの冬の日と同じ状況、だが... えっ?鞍馬天狗?そして大正ロマンス(「はいからさんが通る」みたいな)、三度登場の顔に傷がある男性、民権運動家と逢引、決して口を割らない千代子と連れて行かれる鍵の青年...

次の場面は?SF?戦争?、「倉が燃えちゃう」、「このバカ娘 勝手に死ぬ権利があるのかい」、●●●雲から入道雲、赤い靴、「あっ あれは... 」、千代子を描いた絵、あの音は... 、倒れる千代子... あの糸車の老婆の薄気味悪い笑い声...

現実でも千代子が... 、ついに現在の千代子参戦?、大滝からの求愛、これは小津監督の作品っぽい?鍵が... 、教師の告白、大滝との結婚、ロケット発射のニュース、家事に悪戦苦闘、大滝の裏側、詠子のある告白、あの男性の贖罪、ポスターは怪獣映画が... 、鍵の青年からの手紙、初恋、やはり電車は... 、駆ける千代子、デコトラ、トンネルを抜けた先は... ●ジ●?、メーサー砲?雪、月面、「この鍵を」...

あの撮影は地震でセットがっ!そして、千代子見た幻影ととった行動... そして、引退の事実... そして... ある人から語られたまさかの真実... あのベットからの展開とロケットの発射とあの言葉...

戦国の時代から月面着陸までの千年間の愛。キャッチフレーズの “その愛は狂気にも似ている” を表したようなフェイクノンフィクションのような千代子の半生... まさかの真実は二転も三転もしたし、色々な日本映画のオマージュも詰まっていて最高の気分!これからもよりゆっくり今敏作品を堪能していきます!

「約束したのよ 必ず会いに行くって」

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