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千年女優のmのレビュー・感想・評価

千年女優(2001年製作の映画)
4.0
愛しております、尊敬しております今敏監督。今作もアイデアが満載、あなたにしか描けない作品。盲目なレビューで恐縮ですが、私は今監督が大好きです。

今作で今さんの全ての作品を身終えました!ありがとうNetflix!あとは漫画か!買おう!
今作は現実と虚構が交差している『パプリカ』そしてその交差がシームレスな『妄想代理人』、メタ的要素、ツッコミ要素などが強い『東京ゴッドファーザーズ』の要素をふんだんに取り入れた『パーフェクトブルー』に続いて二作品目というのが納得の作品でした。

往年の大女優にインタビューしていくうちに知る、彼女の生涯。恋を追い、恋に敗れ、それでも愛しつづけた。まごうことなき恋愛映画。この執着とも言える恋愛は今の新海誠監督にも通づるものがある。

心理描写と映画の中の虚構が重なる瞬間にもう鳥肌が立った。とくに宇宙にあるキャンバスを見る千代子には胸にくるものがあった。千代子は一途に想い続ける姿は痛々しくもあるが、ラストの女心満載のセリフで締めてくれて、涙腺崩壊。
あ、そうか、そうなんだ。と千代子の報われる姿、そして今後も彼を探し続け、女優で居続けるんだと確信できて、ほっと温かい気持ちになった。

映像の作り込みもさることながら、日常のほんのひとかけらの希望(『妄想代理人』にも通ずる)を描くのが本当に上手で。盲目ながら好きです。

小山茉美さんが20代から40代の千代子を演じて下さって、私の中では大女優という役柄にピッタリで居心地がよかった。

p.s
『パプリカ』がハリウッドでリメイクされるみたいですが、絶対に再現できないと思っています。

cc/その愛は狂気にも似ている
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