水

千年女優の水のネタバレレビュー・内容・結末

千年女優(2001年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

明日みたいな映画でした。
希望の言葉のような気がします。「明日」って。
満月の前日、睡蓮が咲く前日を千年走り続けた女性の話。
追い、追われ、走って、転んで、それでも会えない人に、そうまでして会いたい気持ちの、純粋さに切なくなると同時に、会えないことが希望なのかもしれないと思った。
追い続けた男の運命を知っていたなら、千代子の人生はあんなに輝かなかったと思うから。
「パーフェクトブルー」が人の心の脆さを描いているとしたら、「千年女優」は人の心の強靭さを描いていると思う。

今敏は夢から醒めない人だなぁ。
それが希望だろうと、絶望だろうと。
「パーフェクトブルー」や「パプリカ」、「妄想代理人」も観たから思う。
そして、アニメーションも脚本も天才的であった。
物語の構成、美しい伏線回収、暗喩。
とにかく走らせる!
馬さえ逃げずに足まで描いていて、圧倒されてしまった。

ポスターの千代子の着物、千年生きるとされている鶴なのがおしゃれだ。
水