移り変わる時代を生きた大女優の藤原千代子。
既に一線を退き、年老いた彼女のインタビューから始まる物語。
千代子自身の人生と、女優としての出演作品が境界線を曖昧にして繋がり、幻想的に彼女の人生が回顧されていく。
想い人から託された「鍵」が終始キーアイテムとなり、
千代子の女優人生の目的と、それに対する情熱や執着がとにかく美しく儚く、時には狂気的に描写されていきます。
そして人生の終点で彼女は何を思うのか...
1人の生涯が90分未満の作品とは思えない程に濃密に凝縮され、
そして最後にグッとくる、忘れられない映画となりました。
(#553/劇場鑑賞)